2012年12月21日

 年の瀬4題

 風に舞う 落葉の街 一人歩む

 舞い落ちた紅葉が、野一面にうちかさなって、ときおり、風にのって空へ舞いあがる。
 木々は、丸裸で、地面の紅葉も、この時期は、紅色を失って、林は、モノトーンにつつまれる。
 それが、武蔵野の冬の風情で、わたしの散歩コースである。
 この寂れた風景に、わたしは、安らぎをかんじる。
 冬は、休憩の季節で、すべてが、じっと息をひそめているからである。
 数か月もすれば、木々が芽吹き、野が若緑色に包まれる。
 枯葉を踏みながら、来年の春まで、この灰色の景色をながめることになる。

 木枯らしや 川面を走る 落ち葉舟

 落葉が、風に吹かれて、つむじを巻いている。
 川面の落葉が走っているのは、流れがはやいからではない。
 木枯らしに吹かれて、川面を滑っている。
 冬の風は、北風、寒風などのほかに、北ならいなどという言い方もある。
 木枯らしも、特有な言い方の一つで、春一番が春の兆しなら、木枯らし一号は、冬の到来である。
 襟巻きをして、足早に歩いている神田川の辺からふとみると、枯葉が、木枯らしに巻かれて、笹舟のように漂っている。
 思わず足をとめて、ながめたのである。

 逝き人を 偲ぶる夜半の もがり笛 

 木枯らしが吹く日は、木々や柵、電線などから、ヒューヒューと笛のような音が聞こえてくる。
 これを「もがり笛」と呼び、漢字では「虎落笛」と書く。
 勇ましい字面だが、実際は、もの悲しい音である。
 押し迫って、賀状のリストから、物故された方々を外させていただく。
 そんな作業をしていると、亡き人の面影や思い出が、脳裏をよぎる。
 手を休めると、窓の外から、遠く、もがり笛が音が聞えてくる。
 やるせない夜なのである。

 ほろ酔いで 熊手を肩に 酉の市

 酉の市は、毎年、年末に、大阪の大鳥大社など、日本武尊を祭った日本各地の鷲(おおとり)神社でおこなわれる「祭礼」で、東京では、花園神社(新宿)が有名である。
 今年も、わたしは、花園神社へ出向いて、熊手を買った。
 鷲神社は、日本武尊が、武運長久、開運、商売繁盛の神で、熊手守りも縁起熊手も、金や縁、運を掻き集めようというのである。
 新宿という土地柄とあって、友だちと連れ合い、一杯ひっかけてから、でかけることになる。
 この世のすべては、めぐり合わせで、人生は、運をつかむか、否かである。
 熊手を肩に、雑踏に紛れているじぶんが、われながら、おかしいのである。
posted by office YM at 12:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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