2009年04月16日

鳥と季語

 武蔵野の 雲高き空 鳥帰る
   
      忘れるなかれ 雲の路筋
 

 秋に北から来て、春に北へ帰る雁が、音もなく、空を渡ってゆく。
 その空に、大きな雲がうかんでいる。
 L字編隊を組んで、まっすぐ、北をめざすすがたは、まるで、空にかかった雲の路を行くようだ。
 繁殖地に向かう渡り鳥は「行く」ではなく「帰る」である。  
 秋に日本へ渡って来て、春、北の繁殖地に帰る渡り鳥には、雁や鴨、鶴、白鳥などの大型の鳥から鶫(つぐみ)、鶸(ひわ)などの小型の鳥まで、多くの種類がいる。

 鳥帰る 忘るなかれや 雲の路

「忘るなかれや」と呼びかけるのは、迷わずに、北の繁殖地へ着くようにというだけではない。
 秋になったら、忘れずに、日本へ戻っておいで、とたのんでいるのである。
「鳥帰る」や「帰雁(きがん)」は、春の季語だが、形容詞なしの雁は、秋の季語である。
 花鳥風月ということばがあるように、日本人には、鳥を天地自然の風物としてみる美意識がそなわっている。
 その鳥が、季節によって、海をこえて渡ってきたり、帰ったりする。
 冬のあいだ山にいた鳥が、春、里にやってきて、美しい声で囀る。
 春に桜が咲くような、鮮やかな季節感である。
 季語となる鳥のうち、よく知られているものを列記してみよう。
 
 /雉子(きじ)・鶯(うぐいす)・雲雀(ひばり)駒鳥(こまどり)・鷽(うそ)・燕(つばめ)
 / 時鳥(ほととぎす)・郭公(かっこう)・仏法僧(ぶっぽうそう)・木葉木菟(このはづく)・大瑠璃(おおるり)・雷鳥・翡翠(かわせみ)・葭切(よしきり)・水鶏(くいな)
 /・雁(かり)・鵙(もず)・啄木鳥(きつつき)・眼白(めじろ)・頬白(ほおじろ)・山雀(やまがら)・四十雀(しじゅうがら)・鶉(うずら)・鶇(つぐみ)・鵯(ひよどり)・鶸(ひわ)・懸巣鳥(かけす)・鶺鴒(せきれい)・椋鳥(むくどり)・鴫(しぎ)
 /鷹(たか)・鷲(わし)・梟(ふくろう)・寒鴉(かんがらす)・寒雀(かんすずめ)・鳰(かいつぶり)・千鳥(ちどり)・鴨(かも)・鴛鴦(おしどり)

 いわひばり 多夫多妻なり 春の宴 

 鳥の行動が季語になるのは「鳥帰る」だけではない。
 鶯の第一声が初音で、渡り鳥が雲間に隠れるのが、鳥雲に入る。
 孕(はら)み鳥から、鳥交(とりさか)る、というのまである。
 群れで生活しているイワヒバリは、一夫一妻制の他の鳥とはちがって、多夫多彩の乱婚型である。
 奔放のようにみえるが、そうではないことは、雌が抱卵したときにわかる。
 一羽の雌が卵を孵すと、すべての雄が、分け隔てなく、巣に餌を運んでくるのである。
 これなら、高山や岩山という、食糧事情のわるい場所でも、子育てができる。
 孵化したヒナが、やがて、巣立ってゆく。
 巣立ち鳥は、春の季語だが、夏に近い晩春であろう。
 初夏の空にむかって羽ばたく若鳥は初々しい。
 
posted by office YM at 09:19| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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