ついりは、つゆいり(梅雨入り)のことで、夏の季語である。
夏や冬の前に多雨になるのは、寒気と暖気がいれかわるからである。
雨が降る仕組みは、なかなか、むずかしい。
低気圧のとき、雨が降りやすいのは、周囲から空気がはいってきて、上昇気流が生じるからという。
上昇気流が生じると、上空で冷やされた空気中の湿度が水滴にかわって、落ちてくる。
梅雨は、日本列島で、北の冷たい気団と南の温かい気団が広範囲に接触して生じる。
北の冷たい空気が下層へもぐりこむため、南の湿った空気が上昇気流となって、雨雲がつくられるのである。
じゃがいもの 花咲きみだれて 低き雲
庭の片隅につくった畑にナスとジャガイモ、トマトを植えた。
五月雨が梅雨にかわる頃、ジャガイモは白、ナスは薄紫、トマトは黄色の花をつける。
梅雨が明けると、夏の陽射しを浴びて、一日一日、実が大きくなる。
わが食卓に上がる日を楽しみに、いまは、雨に咲く可憐な花をながめているばかりである。
きゆうとなき 手にもてあそぶ 茄子かな
梅雨晴間 どこで出会いし 二羽の蝶
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