俳句や短歌には、心のうごきを詠む叙情と、自然のすがたを詠む叙事の二通りがあるように思う。
心のうごきといっても、自然をながめて生じたものであろうし、自然のすがたを詠むといっても、そこに、心のうごきがはたらいている。
結局、同じことかもしれないが、わたしは、自然を点描したような句がすきである。
絵心があったら、スケッチブックに描いてみたい自然の風物を、句にして、残しておきたいのである。
スケッチブックに絵として残すことができなくとも、句として残せば、その光景が、ありありと目にうかんでくる。
わたしにとって、句集は、スケッチブックでもある。
日中、降っていた雨が上がった夕方、何気なく見た空に、夕焼け雲がうかんでいる。
それだけのことだが、思わず、目を奪われていた。
新緑や つらなる裾に 家二軒
裾(すそ)は山の麓(ふもと)である。
新緑におおわれた山の麓に、家が二軒、並んでいる。
それだけの遠景だが、目にとまった。
むろん、印象に残っているのは、鮮やかな新緑である。
いもの葉に 溜りて遊ぶ 朝の露
水滴が、葉の上でまるくなるのは、水の表面張力と葉に水をはじく性質があるためである。
よく見ると、水晶のように、輝いている。
畑のいもの葉にのったその水晶球が、風がくるたび、葉の上でころころところがり、合体して、落ちる。
朝日が斜めから射すせいで、たくさんの葉が、まるで、光の粒子をのせているように見えるのである。
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よろしく御願い致します。
俳句の事は何にも分からないのですが、
今、ページの、ご説明を読みながら、
↓ の句を拝見させて頂きましたら、
心に残る、とても、良い俳句と存じます。
どうも、有難う御座います。
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新緑や つらなる裾に 家二軒
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★ 尚、当方のURLですが、
HPと云えるような代物では
御座いませんが、今、数本のトマトなどを、
植えるところですが、空模様が怪しくなって来ましたので、中断して居るところです。