関東甲信地方は、平年より6日早く、今月14日に梅雨明けした。
ところが、梅雨前線は、その後も居座って、天気は、全国的に、荒れ模様となった。
低気圧が通過した北海道・大雪山系では、10人が遭難死、中国・九州でも、連日、土砂降りの雨がつづいて、大きいな被害をだした。
中国東北部に気圧の谷が居座っているため、南方から湿った空気がはいりこんできて、日本列島に、嵐や大雨をもたらしているらしい。
というわけで、関東を除く九州以北では、いまだ、梅雨明け宣言がだされていない。
梅雨が明けると、庭の野菜畑で、なすが食べごろになる。
とげのあるヘタをつまんで、ハサミを使う。
夏の空の下で、ハサミが、パチン、パチンと鳴るのである。
海霧や 晴れて一船 波間かな
わたしの故郷、三宅島では、この時期、海霧が発生する。
あたたかく、しめった空気が、海面で冷やされるために生じる霧で、かいむでははく、うみぎりである。
夏に、北海道の沖合いで生じる濃い海霧は、地元で「ガス」とよばれる。
つめたい親潮の海に、高温多湿の南風がふきこむためにできるが、夏のはじめ、太平洋で生じるうみぎりは、北海道のガスにくらべると淡い。
その淡い海霧が、一瞬、晴れて、波間に船影があらわれる。
三宅島の海で育ったわたしの、原光景の一つである。
梅雨晴間 いっときの間の 日傘かな
荒れ模様だった天気も、今日は、晴れて、蒸し暑かった。
空にうかんだ雲も、夏雲で、町には、日傘が目立った。
日傘は、夏の風物で、顔の見えない日傘の女性は、どこか、謎っぽい。
むろん、夏の季語で、砂日傘は、ビーチパラソルのことである。
夕刻、灰色の雲がはりだしてきて、とうとう、降りだしてきた。
梅雨明けが、後日、訂正されることも、まれではない。
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